そばつゆの作り方|だしソムリエが教える基本レシピとおいしい配合のコツ

そばつゆを家庭で作るとき、どのくらいの割合でだし・醤油・みりんを合わせればよいのか、迷うことはありませんか。

そばつゆは、だしの種類や調味料の配合によって味わいが変わります。かつお節から丁寧にだしを取る本格的な作り方もあれば、市販のだしパックを使って手軽に作る方法もあります。

また、温かいそばに使う「かけつゆ」と、冷たいそばにつける「つけつゆ」では、適した濃さや味のバランスも異なります。

今回は、だしパックで作る簡単なそばつゆを基本に、かつおだしの取り方、醤油とみりんの配合、本格的な「かえし」の考え方まで紹介します。

目次

まず作ってみよう 基本のそばつゆの作り方

家庭で温かいそばを作るなら、だしに醤油とみりんを加えるだけでも、おいしいつゆができます。最初から何種類もの調味料を使わず、だしの風味を生かして作る方法です。

材料 温かいそば1〜2人分

材料分量
無調味のだし400ml
醤油20ml(少なめから調整)
本みりん20ml
そば1〜2玉
長ねぎ、わかめなど好みの量

基本の配合は、だし:醤油:本みりん=20:1:1。だし400mlに対して、醤油と本みりんをそれぞれ20ml加える、家庭でのあっさりした配合例です。出来上がりは加熱前で約440ml。たっぷりのかけそばなら1人分、小さめの器なら2人分を目安にし、2杯たっぷり作る場合は同じ比率で増やしてください。

だしパックを使う場合は、できれば食塩や調味料で味付けされていないタイプを選びましょう。醤油とみりんで味を調整しやすくなります。

作り方

1 だしを用意する

だしパックを商品の表示に従って煮出し、400mlのだしを用意します。かつお節や昆布から取っただしでも構いません。煮出す前の水の量ではなく、取ったあとのだしを計量してください。

2 本みりんと醤油を加える

鍋にだしと本みりんを入れて加熱し、沸いたら火を弱めて煮て、アルコール臭を和らげます。醤油を少なめから加えて味を確かめ、必要に応じて調整します。長時間煮詰めず、つゆの量が大きく減らないようにしてください。

本みりんにはアルコールが含まれます。短時間の加熱で完全になくなるとは限りません。アルコールを避けたい場合は、アルコールを含まない調味料を選び、甘さや塩分の違いに合わせて配合を調整してください。

3 そばをゆでて盛り付ける

そばは別の鍋で、商品の表示に従ってゆでます。ゆで上がったそばを洗う・温め直すなどの手順は商品に合わせ、しっかり水気や湯を切って温めた丼に盛ります。熱いつゆを注ぎ、長ねぎやわかめ、天かすなど、好みの具材を添えれば完成です。温かいうどんにも使える配合です。

そばつゆの基本配合と黄金比

そばつゆの作り方を調べると、「黄金比」という言葉をよく見かけます。ただし、ひとつの決まった黄金比があるわけではありません。温かいそばなのか、冷たいそばなのか。使うだしの濃さや醤油の種類、甘味の好みによって適した配合は変わります。

温かいそばつゆと冷たいそばつゆの違い

比較項目温かいかけつゆ冷たいつけつゆ
用途かけそばざるそば・もりそば
濃さ比較的薄め濃いめ
味の目安だしの風味と飲みやすさ醤油の風味と甘味
配合の考え方だしを多めに使う調味料の比率を高める

温かいそばのかけつゆは、つゆも一緒に飲むため、比較的薄めの味付けにします。一方、ざるそばやもりそばのつけつゆは、そばを少量ずつつけて食べるため、醤油や甘味をしっかり感じられる濃さに仕上げます。

そば店では、醤油や砂糖などを合わせた「かえし」をだしで割ってつゆを作る方法が用いられます。例えば、ヒゲタ醤油の家庭向けレシピでは、本がえし:だしを、温かいかけつゆは1:7〜8、冷たいもりつゆは1:3〜4としています。これは同社のかえしに対応する目安で、すべてのかえしに共通する比率ではありません。

冷たいそばのつけつゆを簡単に作る方法

ざるそばやもりそば用のつけつゆも、家庭にある調味料で作れます。冷たいそばは、そばをつけたときに味がぼやけないよう、温かいつゆより濃いめに仕上げるのが基本です。

材料 2〜3人分の目安

材料分量
無調味のだし200ml
濃口醤油40ml
本みりん30ml

これは家庭で試すための配合例です。加熱前の合計は約270ml。甘さや醤油の強さは好みに合わせて調整してください。かえしを使う下の方法とは別のレシピです。

作り方

1 小鍋に本みりんを入れ、吹きこぼれや焦げ付きに気をつけながら加熱し、アルコール臭を和らげます。火をつけて燃やす必要はありません。
2 醤油とだしを加え、全体が温まるまで加熱して味を見ます。
3 火を止め、鍋底を氷水に当てるなどして速やかに冷まし、清潔な容器に移して冷蔵庫で冷やします。

冷やすと味の感じ方が変わるため、最後は実際に食べる温度で確認しましょう。濃ければ無調味のだしを少量ずつ加えます。本みりんのアルコールについては、基本の温かいつゆと同じ点に注意してください。

さらに本格的に作りたい場合は、次に紹介するかつおだしや、かえしを使う方法もあります。

かつおだしで作る本格的なそばつゆ

そばつゆの味を左右するのが、だしの風味です。家庭ではだしパックを使うのも便利ですが、かつお節からだしを取ると、削り節の種類や抽出方法による違いを楽しめます。

かつお節の基本のだしの取り方

材料分量
水600ml
かつお節(薄削り)15〜20g程度

1 鍋に水を入れて沸騰させます。
2 火を止め、かつお節を加えます。
3 1〜2分ほど置いて、だしを抽出します。
4 キッチンペーパーなどを敷いたざるでこします。

家庭で作るかつおだしの一例です。こしたあとの量は材料やこし方によって変わるため、そばつゆに使うときは必要量を計量します。薄削りは短時間で香りやうまみを取り出しやすく、家庭でも扱いやすい素材です。

ただし、そばつゆに使われるだしは、一般的な和食の一番だしとは必ずしも同じではありません。そばの風味や醤油の味に負けないよう、削り節の量を増やしたり、複数の魚種を組み合わせたりする方法があります。

薄削りと厚削りの違い

薄削りは、短時間で成分が抽出されやすく、香りのよいだしを取りやすいのが特徴です。味噌汁や吸い物など、家庭料理にも幅広く利用されます。

厚削りは、薄削りよりも時間をかけて煮出し、コクのあるだしを作る際に利用されます。そばつゆでは、醤油と合わせても存在感のある魚介の風味を求めて使われることがあります。

煮出し時間は、削りの厚さや商品、目指す濃さによって異なります。例えば、ヤマキが紹介する厚削りの取り方は、水1Lに厚削り30gを使い、中火で10分程度煮立てる方法です。「厚削りは必ず20〜30分」と一律に決めず、商品の表示を優先しましょう。

そばつゆに使うかつお節・さば節・宗田節の違い

本格的なそばつゆでは、かつお節だけでなく、さば節や宗田節(そうだぶし)などを組み合わせることがあります。それぞれの素材には、異なる風味の特徴があります。

かつお節

香りとうまみが特徴です。魚介の香りを生かした、すっきりした味わいのつゆに使えます。荒節か枯節か、血合いの有無などでも印象が変わります。

さば節

コクや厚みを感じるだしを作りやすい素材です。醤油を使った濃いめのつゆとも合わせやすく、そばつゆやうどんつゆなどに利用されます。

宗田節

ソウダガツオ類を原料とする節です。力強いうまみと風味があり、濃厚なそばつゆを作る際に使われます。かつお節だけでは軽く感じるときに、宗田節やさば節を組み合わせることで味の厚みを変えられます。

複数の削り節を合わせる理由

かつお節・さば節・宗田節は、いずれも魚を原料とするだし素材ですが、風味は同じではありません。香りの強さ、コク、余韻などが異なるため、組み合わせによって仕上がりの印象が変わります。

例えば、かつお節を中心にして香りを生かす方法もあれば、さば節や宗田節の割合を増やして、力強い味わいにする方法もあります。どの組み合わせが正解というわけではありません。使用する醤油やそばとの相性も考えながら、好みの味を探してみましょう。

そばつゆの「かえし」とは?

かえしとは、主に醤油・砂糖・みりんなどを合わせて作る調味液のことです。そば店では、あらかじめ作っておき、使うときにだしと合わせてそばつゆに仕上げる方法が広く用いられています。

なぜ、かえしを作るの?

利点のひとつは、つゆの味を安定させやすいことです。あらかじめ醤油や甘味の配合を決めておけば、必要な量のだしと合わせることで、一定の味に仕上げやすくなります。また、作り方によっては寝かせる工程を設け、調味料の味をなじませます。

かえしには種類がある

代表的なのは「本かえし」と「生かえし」です。本かえしは醤油を加熱して作るかえし。生かえしは醤油を直接加熱せず、砂糖などの調味料と合わせて作るかえしです。どちらにも特徴があり、そば店によって製法や配合が異なります。

家庭で作る本かえしの一例

以下は、ヒゲタ醤油「そばつゆの作り方(家庭向け)」の材料を半量に換算した例です。元レシピは同社の「本膳」を使う配合で、醤油が変われば甘さや塩味のバランスも変わります。

材料分量(元レシピの半量)
醤油(元レシピは「本膳」)180ml
みりん18ml
砂糖32.5〜35g

1 鍋で醤油を温め、鍋の縁に泡が見えたら火を止めます。
2 砂糖を加えて溶かし、みりんを混ぜます。
3 弱火で温め直し、沸騰させる前に火を止めます。

完成後すぐに使うこともできます。家庭では常温での長期熟成を安易にまねず、必要量を作り、保存する分は速やかに冷まして清潔な容器に入れ、冷蔵して早めに使い切りましょう。この加熱手順もアルコールが完全になくなることを保証するものではありません。

使うときは、前述した同社の目安(かけつゆは本がえし1:だし7〜8、もりつゆは1:3〜4)を参考に、少量ずつ合わせて味を調整します。かえしと、だしを加えたあとのつゆでは保存性が異なります。

なお、かえしを作らなければおいしいそばつゆができないわけではありません。家庭では、だしに醤油とみりんを直接合わせる方法でも十分に楽しめます。

そばつゆをおいしく仕上げる5つのコツ

材料がシンプルなそばつゆは、少しの違いで味の印象が変わります。

1 だしの種類を選ぶ

そばつゆに使うだしは、かつお節だけとは限りません。昆布、さば節、宗田節、煮干しなどを組み合わせる方法もあります。素材が変われば、うまみや香りの出方も変わります。まずは、好みのだしを見つけることから始めましょう。

2 味付けのないだしパックを選ぶ

だしパックには、素材だけが入っているタイプと、食塩や調味料で味付けされているタイプがあります。醤油やみりんで自分好みのそばつゆを作るなら、味付けされていないものがおすすめです。味付きのものを使う場合は、加える醤油を減らして調整しましょう。

3 醤油の種類を変えてみる

濃口醤油は、そばつゆによく使われる調味料です。種類や銘柄によって、塩味、香り、甘味、うまみのバランスが異なります。淡口醤油は色が薄くても、一般に濃口醤油より塩分が高めです。色だけで判断せず、表示と実際の味を確かめながら使いましょう。

4 みりんと砂糖の役割を知る

みりんは甘味だけでなく、風味や味のまとまりにも関わります。砂糖は甘味を調整しやすい調味料ですが、必ず加える必要はありません。あっさりしたつゆが好きならみりんだけで、甘めが好きなら少量の砂糖を加えて調整します。

5 温めすぎ・煮詰めすぎに注意する

だしと調味料を合わせたあと、長時間強火で煮立てると水分が蒸発し、つゆが濃くなります。香りも変化するため、必要以上に煮詰めないことがポイントです。ただし、本みりんなどアルコールを含む調味料の加熱は省かず、温かいつゆは食べる直前に温め直して仕上げましょう。

そばつゆが薄い・しょっぱい・甘すぎるときの調整方法

レシピどおりに作っても、使う材料によって味が変わることがあります。そんなときは、何が足りないのかを考えて調整しましょう。

味が薄いとき

まず、塩味が足りないのか、だしの風味が弱いのかを確認します。塩味が足りなければ、醤油を少しずつ加えます。塩味は十分でも物足りない場合は、次回からだしを濃く取ったり、使う削り節を変えたりする方法があります。

しょっぱいとき

味付けをしていないだし、または湯を少量ずつ加えて調整します。砂糖を加えても塩分そのものが減るわけではないので、まずはつゆを薄めるのが基本です。

甘すぎるとき

砂糖やみりんを入れすぎた場合は、無調味のだしを加えて調整します。醤油を追加すると塩味も強くなるため、少量ずつ味を確かめることが大切です。

だしの香りが弱いとき

だしの抽出方法や、使用する素材を見直してみましょう。香りを強めたいなら、かつお節の種類や量を変える方法があります。醤油の風味が強すぎて隠れている場合もあるため、次回は醤油を少し控えるなど、ひとつずつ条件を変えると違いがわかりやすくなります。

市販のめんつゆと手作りそばつゆの違い

市販のめんつゆは、だし・醤油・甘味などがあらかじめ調整されている便利な調味料です。濃縮タイプは表示に従って薄め、ストレートタイプはそのまま使います。一方、だしと醤油、みりんから手作りする場合は、好みに合わせて味を調整できることが特徴です。

比較項目市販のめんつゆ手作りそばつゆ
手軽さ表示に従って使える材料を合わせる
味の調整商品の味が基本調味料を調整できる
だしの種類商品による自分で選べる
保存開封後も商品表示に従う必要量を作り早めに食べ切る

市販の濃縮めんつゆを、水ではなく無調味のかつおだしや昆布だしで薄めると、風味を変えられます。商品によって塩分や甘味が異なるため、表示の希釈倍率を目安に調整しましょう。

よくある質問

そばつゆはだしパックでもおいしく作れますか?

はい、作れます。かつお節を中心にしたもの、昆布を組み合わせたもの、さば節や煮干しを含むものなど、素材や配合は商品によって異なります。味付けされていないタイプを選ぶと、醤油とみりんで調整しやすくなります。

そばつゆに砂糖は必要ですか?

必須ではありません。みりんの甘味だけで仕上げることもできます。甘めのつゆが好きな場合や、かえしを作る場合には砂糖を使用することがあります。

そばつゆとめんつゆは同じものですか?

そばつゆは、そばに合わせて使うつゆのことです。めんつゆは一般に、そば・うどん・そうめんなどの麺料理に使う調味つゆを指します。市販品には、煮物や丼ものにも使える商品が多くあります。

白だしでもそばつゆは作れますか?

作れます。ただし、白だしには醤油や食塩、だしなどが含まれているため、無調味のだしと同じようには使えません。商品の表示に従って薄め、必要に応じて醤油やみりんを加えて味を調整しましょう。

そばつゆは作り置きできますか?

作れますが、家庭でだしを使ったつゆは傷みやすいため、基本的には必要量を作り、早めに食べ切るのがおすすめです。保存する場合は速やかに冷まして冷蔵し、長期保存は避けましょう。だしを加えたつゆと濃いかえしでは保存性が異なります。

そばつゆはうどんにも使えますか?

はい、使えます。だし、醤油、みりんで作ったつゆは、うどんにも利用できます。麺や具材によって味の印象が変わるため、好みに合わせて調整してください。

だしを変えると、そばつゆの味も変わる

そばつゆは、だし・醤油・甘味という比較的シンプルな組み合わせで作られます。だからこそ、どのだしを使うかによって味わいが変わります。

かつお節の香りを生かしたつゆ、さば節や宗田節でコクを出したつゆ、昆布を合わせてうまみを重ねたつゆ。それぞれに異なるおいしさがあります。本格的に作るなら、かえしや厚削りのだしなど、奥深い世界があります。

一方、家庭ではだしパックを使い、醤油とみりんを合わせるだけでも十分に楽しめます。大切なのは、手間をかけることそのものではなく、どんな味に仕上げたいかを考え、だしと調味料を選ぶこと。

まずは身近な材料で作ってみて、次はだしの種類を変えてみる。そんな小さな工夫から、自分好みのそばつゆを見つけてみてください。

だしを使った麺のスープ作りをさらに楽しみたい方は、ラーメンスープの簡単な作り方|鶏ガラスープの素+だしで作る醤油ラーメンも参考にしてください。

参考:ヒゲタ醤油「そばつゆの作り方(家庭向け)」/ヤマキ「厚削りの活用術」/宝酒造「煮切りみりんとは」

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